2011年12月10日(土)、月が完全に地球の影に入り込む「皆既月食」により、
赤い満月が日本全国で見られます。
20時45分から25時18分まで。位置は南の空、おうし座付近。
オリオン座のベテルギウスの上あたりと言う方が分かりやすいかもしれません。
食の始め :10日21時45.4分
皆既の始め:10日23時5.7分
食の最大 :10日23時31.8分
皆既の終り:10日23時58.0分
食の終り :11日1時18.3分
月食は、月が地球の影に入り込むことにより発生しますから、
月・地球・太陽が一直線に並んでいる、満月の時にしか起こりません。
今回の「皆既月食」は、月が地球の影に完全に入り込む月食です。
地球の影に完全に入り込んだら月が見えなくなりそうですが、
実際にはそうはならず、赤い満月が見えます。
地球に大気があるからです。
光は密度の異なるものを通過すると屈折します。
宇宙空間を通過してきた太陽光が地球の大気を通過すると、
その光が屈折し、月まで届くのです。
さらに、地球の大気を通過する際、
青色光のような波長の短い光が大気を構成する分子によって散乱吸収され、
波長の長い赤色光がそのまま大気を通過して月まで届くため、
月が赤く見えることになります。
夕日が赤く見えるのも同じ理屈です。
夕方には、昼間よりも太陽光線が通過する大気の層が厚くなるため、
波長の短い青色光が散乱吸収されやすくなり、
波長の長い赤色光が観測者に多く届くことになります。
ついでに。
この理屈で言えば、朝日も夕日と同じくらい赤く見えるはずです。
ところが実際には、朝日は夕日ほどには赤く見えません。何故でしょうか。
これは、さらに光のドップラー効果が加わっているためです。
ドップラー効果では、近づく時波長が短くなり、遠ざかる時波長が長くなります。
朝は観測者と太陽が相対的に近づいていますが、
夕方には観測者と太陽が相対的に遠ざかっていますね。
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