‘大学受験’ カテゴリーのアーカイブ

効率の良い勉強法・暗記法~脳の仕組みと忘却曲線~

大学受験 | 投稿者: itogen
3月 10 2012 年

忘却曲線というものをご存じでしょうか。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウス(1850-1909)が、

記憶の再生率を調べて導いた曲線です。

人が記憶したものを時間の経過と共に忘れていくその過程が曲線によって表現されています。

実験結果:
20分後には、42%を忘却し、58%を覚えていた。
1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えていた。
1日後には、74%を忘却し、26%を覚えていた。
1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えていた。
1ヶ月後には、79%を忘却し、21%を覚えていた。

グラフにすると、以下の図のようになります。

忘却曲線 グラフ 1

完璧に覚えたつもりでも、1日後には約4分の3を忘れてしまっています。これでは大変です。

しかし、反復・復習によって記憶を強化する(もう一度覚えなおす)と、

その都度忘却曲線のカーブは緩やかになり、以下の図のようになります。

忘却曲線 グラフ 2

反復・復習がいかに大切かがわかりますね。

さらに一つ注意したいことがあります。

それは、このエビングハウスの忘却曲線は、pek, tasなどの無意味な単語の羅列を記憶し、

その再生率を調べて導かれたものだということです。

実際に勉強を進めていく時に出てくるものに、完全に意味のないものはありませんから、

暗記する内容に「意味」を付加することで、忘却曲線をさらに緩やかなものにすることができます。

 

「意味」の付け加え方は様々です。たとえば、subway「地下鉄」。

意味を付加せず、単にs→u→b→w→a→yという単語の羅列として暗記すれば、

忘却曲線通りにすぐに忘れてしまうでしょう。

しかし、sub「下」+way「道」であることを意識すれば、

記憶しやすく忘れにくいものになります。

submarine「潜水艦」(sub「下」+marine「海」)なども同様です。

 

他にもあります。

たとえば、視覚だけでなく、他の感覚も使って「意味づけ」してみたらどうでしょう。

optimistic「楽天的な」という単語を、「オプティスティック」と、

一番強く発音される「ミ」のところでスキップしたり片手を突き上げたりしながら、

楽しそうに発声したらどうでしょう。

何となく楽天的なイメージがつくことにより、忘れにくいものになると思います。

単に視覚に頼るだけでなく、このように他の感覚も使って記憶することで、

記憶する内容を忘れにくいものにすることができるのです。

 

また、触覚・味覚・嗅覚などによる記憶は、視覚による記憶よりも強く脳に残るそうです。

視覚・聴覚などの間接的感覚(対象に当たった波(光、音)を捉える感覚)より

触覚などの直接的・原始的感覚の方が、

進化の過程では早くに獲得されると言われているようですから、

あながち間違いでもなさそうです。

見るだけでなく実際に書いてみる方が記憶に残りやすいとよく言われますが、

これも実際に手でシャープペンシルや鉛筆を「触」って書いているからかもしれません。

 

やり方・覚え方を工夫することで、学習を効率よく進めることができるようになります。

頑張ってください。

↓よろしければクリックをお願いします。

ブログ村

 

 

冬期講習について

大学受験 | 投稿者: itogen
12月 22 2011 年

高3生の保護者面談はすでに12月頭に終了。

センター試験後などに一部差し替えが出てくる可能性もありますが、

担当生の受験校はもうほぼ確定し、現在は冬期講習中です。

 

もうここまできたら、センター試験まではセンター試験対策、

センター試験後は国立二次・私大対策で、

あっという間に入試本番がやってきます。

高3生は1分1秒を大切に集中して勉強してください。

基本的には「過去問での問題演習→見つけた弱点の補強」の繰り返しです。

一般に、現代文など出来るようになるまで時間がかかる科目よりは、

歴史や理科などの暗記事項を頭に入れる方が全体での得点力はあがりますし、

得意科目や得意分野をさらに伸ばそうとするよりも、

苦手科目や苦手分野をつぶす方が効率がいいということも忘れずに。

 

高2生は、来年の今頃はもうこういう状況になっているので

残された時間は本当に少ないのだということを意識して

日々の勉強に取り組んでください。

 

ウィキタスブログ(http://www.wiquitous.com/blog/)にセンター直前のアドバイスが載っています。

またウィキタスでは、センター用の問題集が販売されています。http://www.wiquitous.com/

一色塾生であれば無料配布されたポイントで購入できますから、苦手分野の克服に役立ててください。

健闘を祈ります。

 

↓よろしければクリックをお願いします。

ブログ村

 

勉強法(3)脳のメカニズムを利用した効果的な暗記法についてウィキタスブログに寄稿しました。~サブタイトル:ブログタイトルの秘密~

大学受験 | 投稿者: itogen
7月 04 2011 年

無料電動空気入れ!(挨拶)

ブログの方向性もだいぶ定まってきました(挨拶の仕方もだいぶ定まってきました)。

最初は、

『こんなタイトルなのにケーキの話を一切しなかったら面白いかも!それでそのうち、

「なんでケーキの話しないんですか!?」みたいなツッコミが入るだろうから、

そしたら「秘密です」って答えようo(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)oワクワク』

とか、

『「”伊東源とケーキ”の秘密ですか?それとも”伊東源”と”ケーキの秘密”なんですか」

みたいな質問も来るだろうから、

それも「秘密です」って答えようo(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)oワクワク』

とか思いながら日常を少し語ってみたのですが、

いつの間にか日常が主力記事みたいなブログに・・・。不思議です。

 

そういえば今日、ブログタイトルについて記念すべき初ツッコミをいただきました。いわく、

「そろそろ『ケーキの話しないんですか!?』とつっこもうと思っていたら

先生に先に書かれちゃいました」

 

本当にありがとうございました!!!

「先」が「蔵前橋通りについて」を指すのか、

隅田水門に行ってきました(3)」を差すのかはわかりませんでしたが、なんか満足しました。

 

 

まあ普通にケーキの話をしているブログは他に沢山ありますし、

自分としては結構楽しいので、これでいいかなと思ってます。

楽しいというか、結構切ないことも多いのですが。隅田水門とか。

 

そろそろ一色塾でも夏期講習が近づいてきて、かなり忙しくなってきましたが、

どこかで何とか時間を作って、今度は隅田川を河口まで下ってみようとも思ってます。

もちろん自転車でです。

 

最後に。今日はWiquitous(ウィキタス;ドリルサイト)のブログに

勉強法に関する記事を寄稿したので、リンクを張っておきます。

載せるプロフィールも含めて、ツイッターやこのブログで知り合った方々には

『もしかしたら中の人違うんじゃないの?』と思われるかもしれないくらい真面目に書きました。

塾生は読んでおいてください。

他、興味のある方もどうぞ。→効率の良い勉強法・暗記法~脳の仕組みと忘却曲線~

 

昨日も書きましたが、今日の内容で墨田区情報にもポイントが入ります。

相変わらず1位です。応援ありがとうございます。

↓よろしければクリックをお願いします。この大学受験(塾・指導)ジャンルでは現在8位くらいです。

大学受験 ブログ村

 



勉強法(2)~効果的な復習の仕方~

大学受験 | 投稿者: itogen
6月 10 2011 年

今日はこのブログで復習の仕方について語ってみます。

2回目の真面目モードです。

1回目はこちら(内容はモチベーションの上げ方とWiquitous(ウィキタス)の紹介です)。

 

今の世の中では書かない子が増えているようです。

しかし、「何となくノートを眺めてわかったつもりになっておしまい」

という復習の仕方だと、他の問題にはなかなか応用できません。

「自分がちゃんと覚えたかどうか」をチェックできる復習の仕方ではないため、

「かけた時間の割に成績が伸びない」という状態に陥ります。

 

覚えるべきことを一度書き出すだけでもずいぶん違いますから、

一色塾で教えている塾生には、復習用/暗記用のノートを作るように指導しています。

つまり、授業中にとったノートから、覚えるべき部分だけを抽出したノートです。

たとえばこんな感じ(塾生から借りてコピーしたものです)。

復習・暗記用ノート

画像右側を隠して、言えるかどうか自分でチェックできます。

低学年であれば、覚えた後に、親御さんや先生など

他の人に口頭試問してもらうのもよいでしょう。

模試や過去問も、間違った問題はその部分だけノートに貼って

次は間違えないようにしておくとよいでしょう。

 

で、このようなノートを作って覚えるべきことを覚えたら、

次は実際にその知識を使って、授業で習った読み方・解き方(頭の働かせ方)をなぞりながら

自力でその問題が解けるかチェックしてみましょう。

 

「(見て)わかる」で満足しているうちは、「(実際に)できる」ようにはなかなかなりません。

「わかる」と「できる」の違いを意識できるようになると、伸びるスピードがぐんと上がります。

頑張ってください。

 

勉強法(1)~喜怒哀楽を利用したモチベーションの上げ方~

大学受験 | 投稿者: itogen
6月 03 2011 年

twitterでつぶやいた勉強法のまとめです。

いつもと違って(というか、ブログ開設以来初めて)堅い内容です。

 

学年が進むと長時間勉強時間を確保することが必要になります。

よく目安として挙げられる勉強時間は「学年+2、休日は2倍」です。

高3なら平日5時間休日10時間ということです。

 

実際には、どの大学に行きたいか、現在どの程度の学力があるのか、要領がいいか、

などによって必要になる勉強時間はかわります。

ただいずれにせよ、何も考えず長時間勉強に没頭できる人は多くないと思います。

 

いったん「やる」と決めたのであれば

出来るだけ集中して効率よくやれた方がよいのですが、

「他にやりたいことがあるのにそれを我慢して勉強しなきゃいけない」

と思いながら嫌々勉強していても効率は上がりません。

受験勉強に限らず、

『しなければならない/やりたいことを我慢しなければいけない』

と思うと、集中力は低下します。

 

「人は『今何のために努力しているのか』を意識出来ると

欲求不満が起こらず、ストレスを感じない動物である」

という話を読んだことがあります。

いったん立ち止まって、「今自分が何のために努力するのか」を意識するといいでしょう。

 

それにしても、真面目な話に違和感があるのは自分でもどうかと思います。

 

 


 

一日一晩寝ながら考えたのですが、面白い話にしようがないのでやめます。終わり。

とつぶやいて終わりにしようと思っていたのですが、

『たまにはまあいいか』くらいの曖昧な気持ちで、もう少し真面目な話を続けてみます。

 

さて、普段の授業で、物語文の読み方に関する注意点の一つとして、

行動と感情のリンクに気をつけるように

というようなことを言っています。

行動はある感情が原因となって生まれたものであり、

そして今度はその行動が原因となって別の感情が生まれたりするわけで、

それを追って読んでいくことを、「(登場人物への)感情移入」といいます。

物語文の読解が得意な子は、これを半無意識にやれます。

 

で、話を元に戻して、

行動と感情がリンクするのは、物語に限った話ではなく、生身の人間の場合もそうです。

行動(受験勉強)と感情(喜怒哀楽)をうまくリンクさせることができれば

ストレスを軽減できるはずです。

 

 


 

まず「喜」(あるいは「嬉」)という感情を利用した勉強法について。

「勉強して成績が上がって/褒められて嬉しい!だからもっと頑張ろう!」という感じです。

「上がって/褒められて」ではなく、「上がれば/褒められれば嬉しいはず!」でも利用可能です。

大切なのは、自分にそう信じ込ませて(3回唱えましょう)、

最初は多少無理やりでもモチベーションを高めて頑張り始めることです。

 

また、ごほうびによる「嬉」もいいですね。これは今でもよく使っています。

受験生の時には、 高3夏休みに、

「1日10時間勉強できたらコーヒーゼリーを1つ食べてもいい。

でももし12時間勉強できたら、あと2時間頑張るだけなのに、特別に2つ食べてもいい!」

というルールを作って、毎日ハイテンションで勉強しました。

ひと夏で60個くらいは食べました。

そしてそれ以来コーヒーゼリーを全く食べなくなりました

 

また、夏休みのような長期間、平均10時間の勉強時間を確保しようとする場合には、

勉強時間を「貯金」するのも手です。

12時間→12時間→12時間→12時間→休み、のように。

自分は1日11時間、ひと夏で450時間くらい勉強する計画を立てていたので、

出来るだけ毎日12時間ずつ勉強して、

遊ぶの予定の日より前に11時間「貯金」するようにしていました。

実際には、遊ぶ予定にしていても、丸一日何も勉強しないのはやっぱり不安で、

結局帰ってきてから少し勉強してましたが、

それがいい息抜きになって、ひと夏頑張れたと思います。

 


怒。

叱られて悔しいとか、見返してやるとか、そういった感情をバネにして勉強するやり方です。

高3時、学校の数学の授業中に塾の数学を自習(内職)していて

先生に見つかって注意された時に、

「同じ数学なので勘弁してください」と思わず言ってしまい、

「絶対受からんぞそんなんじゃあ」と言われたことがあります。

若気の至りで「大丈夫です。」と言い切ってしまったので、頑張らざるを得ませんでした。

今さらですがF先生本当にすみませんでした。

 


哀。

長時間の勉強に耐えられず、ついふらふらと遊びに行きたくなった時には、

翌年の夏、周りのみんなが楽しく遊んでいる時に、

自分だけは浪人して遊びに行けないという状況を想像しました。

『今我慢しないと、結局もう一年我慢しなければならなくなる』

と思うと、意外と頑張れるものです。

 


楽。

「楽して受かる方法」だったらいいのですが、残念ながらそんなものはなく、

これは「大学合格後の楽しい生活」です。

大学では一気に自由度が増し、

勉強にせよ遊びにせよ、やりたいことが色々とできるようになります。

それを想像してモチベーションを高めましょう。

自分がやっていたのは、

「今は我慢しなければならないが受験が終わったらやりたいこと」のリストを作ることです。

書くことで我慢して、受験が終わった後で一つ一つ実行しました。

読みたい本、見たい映画、行きたい場所、やりたいこと…

とにかく色んなことが書いてありましたが、受験後にほぼ全て実行しました。

一つだけできなかったのは「一日24時間寝る」です。

わざわざ前日に徹夜してわくわくしながら寝たのですが、22時間で起きてしまいました。

 

夏休みはもうすぐ。苦手分野はここで徹底的につぶしておかねばなりません。

高3にとっては受験の天王山。

高2以下にとっては、頑張った人とそうでない人の差が一番出る時期です。

現役生は、1年分勉強時間が多い浪人生が相手になることを忘れず、頑張って下さい。

最後にWiquitous(ウィキタス)を紹介しておきます。

問題集(ドリル)が分野別でダウンロードできるサイトです。

高校生向けのものだけでなく、小学生向け、中学生向けのものもあります。